現代文の勉強って難しいですよね。
他の科目と違いどのように勉強すれば良いか分からず、我流で勉強してしまう人が多いです。
そのため偏差値が上がらず困っている人も多いと思います。
「現代文が全くできない、、、」
「どうやって勉強すれば良いか分からない、、、」
このような悩みを持つ人のため、この記事では「現代文ができない理由」と「苦手を克服する方法」を詳しく解説いたします。
この記事の信頼性
- この記事を書いている私は、現代文の偏差値を40から70まで上げて大阪大学に合格しています。
- 共通テスト現代文で94点を取得
現代文ができない人の特徴6つ
「現代文はセンス」と言う人がいますが、全く違います。
現代文にセンスは必要ありません。
現代文ができない人には、以下のような特徴があります。
現代文ができない人の特徴
- 語彙力がない
- 現代文の背景知識がない
- 読み方を分かっていない
- 解き方が分かっていない
- 読むのが遅い
- テクニックに頼りすぎている
これらの特徴に当てはまっていないか順番にチェックしていきましょう。
語彙力がない
現代文には現代文特有の「単語」があります。
以下のように、日常会話ではあまり使用されないことばです。
現代文キーワードの例
「神話」「虚像」「普遍」「アイデンティティ」「イデオロギー」など、、
現代文が出来ない理由の多くは、こうした「現代文のキーワード」の意味を理解していない、というものです。
英単語が分からないと英語長文が読めないのと同じように、「現代文のキーワード」を知らないと現代文を正しく読むことは出来ないのです。
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背景知識がない
評論文などで取り上げられるテーマはだいたい決まっています。
評論文のテーマ例
宗教、科学、経済、政治、言語、社会、文化、芸術など、、
そしてこれらのテーマは「背景」があります。
例えば、科学や社会といったテーマは、「『近代』と『現代(ポストモダン)』の対比」*という前提に基づいて述べられることが
注釈
極端に言うと、『近代』は産業革命に象徴されるような徹底的な合理主義、科学主義が行き過ぎた結果、環境破壊や家族観の崩壊をもたらした、という批判対象です。
それに対し、『現代(ポストモダン)』はこれらを克服し、『近代』を乗り越えていこうという考え方です。
現代文は本の一部が抜粋された文章が出題されるため、「唐突に話が始まっている」と感じ、意味が理解しづらくなるのです。
しかし、各テーマの背景知識を押さえていれば、話の展開や筆者の主張が手に取るように分かるのです。
現代文の「背景知識」は、カンニングペーパーみたいなものです。
知っていると知らないとではかなり大きな差が生まれます。
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読み方が分からない
そもそも文章の読み方が分かっていないと現代文は出来るようになりません。
「日本語だから理解できる」は間違いです。
数学と同じように、現代文は「論理的思考力」が非常に重要な科目です。
感覚で読んでも正しく文章を理解することは出来ません。
特に入試問題で出題される文章は長く難解なものが多いのです
なんとなく読み進めていると「で、結局何が言いたかったの?」となってしまうので注意が必要です。
文章の論理構造をしっかり意識しながら、筆者の主義・主張をつかむ必要があります。
現代文の読み方をマスターするのは比較的簡単です。
読み方の例
評論文であれば、「しかし」「すなわち〜」「つまり〜」「例えば〜」などの接続詞に意識する
小説の場合は、登場人物の人間関係や心情変化を捉える、などです。
現代文の読み方が分かってくると、驚くほど偏差値が上がりますよ。
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解き方が分からない
現代文には、「本文に書かれていない/本文から読み取れない」ことは正解にならない、という絶対的な法則があります。
文章から合理的・論理的に導かれる内容しか答えになりません。
勝手に自分で筆者の主張や気持ちを想像してはいけません。
一見すると当たり前ですが、実際に問題を解くと、自分の想像で答えを決めてしまうことがあります。
入試問題は制限時間もあるので、急いで解いているとつい無意識的に感覚で答えを選んでしまいます
特にセンター試験(共通テスト)などの選択問題でありがちです。
記述問題では更に厄介です。
文章を理解できていても、それを正しく回答で表現することは別だからです。
ある知識を理解していても、それを誰かに説明するのは非常に難しいですよね
現代文でも同じです。
「自分は正しく文章を理解できている」ということを、誰が読んでも証明できるように記述(回答)するのは高度な技術です。
文章の読み方とはまた違った技術を学ぶ必要があります。
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読むのが遅い
本文を正しく読めるのに「読むのが遅い」から現代文に苦手意識を持つ人も多くいます。
語彙力・背景知識を持っていても、正しく文章を読んで回答できても、制限時間までに終わらせないと全て無意味です。
時間を無制限にして問題を解けば高得点を取れるという人は多いと思います。
ここに現代文の難しさがあります。
現代文は日本語ですから、時間をかければ点数が取れてしまうのはある意味当たり前です。
「すばやく」文章を正しく理解する技術を身につける必要があるのです。
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テクニックに頼りすぎる
最後の特徴は、「テクニックに頼りすぎる」ことです。
正攻法では点数が取れないからといって安易にテクニックに走る方は結構多いです。
例えば、以下のような表現を見つけたら線を引くなどのマーキングをする行為です。
マーキングの例
- 「しかし」「だが」などの逆接の接続詞
- 「すなわち」「つまり」などの要約の接続詞
- 対比構造
マーキングが悪いといっているわけではありません。
むしろ、本文の理解を手助けしてくれる便利な手法です。
しかし、このようなマーキングの目的はあくまでも、自分が本文の意味を理解することを手助けする手段でしかありません。
「しかし」「なぜなら」「したがって」など文字が現れたら思考停止的に印をつける人がいます。
意味をちゃんと理解した上でマーキングしないと意味はありません。
マーキングすることが目的とならないように注意が必要です。
現代文ができない理由4つ
現代文ができない理由は評論文と小説で異なります。
また、マーク式か記述式でも苦手な理由は違います。
現代文ができない理由をテーマ別、問題別にご説明します。
テーマ別:評論文ができない理由
評論文が苦手な人は端的に言うと「文章を論理的に読めていない」です。
「論理的に読めない」は次の2点が原因です。
キーワードや頻出テーマが理解できていない
評論文には一種のお作法のようなものがあります。
つまり、ある程度の背景知識を前提に文章が書かれているのです。
この前提知識を知らないのと評論文がものすごく理解しづらいものになります。
逆に前提知識があれば、予め話のオチが分かっているようなもので、読みながら文章の展開が予想できます。
例
「はいはい、中世と近代を対比させつつ、環境問題や人間関係の希薄化など近代を批判的に述べるんでしょ」
私が現代文を解くときはうっすらこのような考えを頭に置きながら読み進めています。
こうした知識を身につけるには以下のような参考書で勉強するのがおすすめです。
読み方を知らない
評論文は論理というルールに沿って書かれている文章なので、正しく読めば必ず理解できるようになっています。
「論理」とは?
デジタル大辞泉(小学館)
考えや議論などを進めていく筋道。思考や論証の組み立て。思考の妥当性が保証される法則や形式。
評論文は、筆者が言いたいことを主張するために、筋道を立てて書かれている文章です。
筆者は「比較」「因果関係」「言い換え」などを駆使して自分の主張を説明します。
この筋道通りに読めるかどうかが評論文の読解の重要な点です。
テーマ別:小説・随筆ができない理由
評論文はできても小説・随筆は苦手とする人は非常に多いです。
評論文は論理というルールに従って構成されているため、正しい読み方さえ分かっていれば文の主旨を外すことはありません。
しかし、小説にはルールなんて存在しません。
作中での情景や出来事、登場人物の言動などから登場人物の心情を読み解かなければなりません。
語彙力がない
小説には評論文とはまた違った語彙力が求められます。
身も蓋もない
身の丈に合う
枷が外れる
目を見張る
小説にはこうした慣用表現が頻出します。
語彙力がないと言っている意味がそもそも分からなくなり小説も正しく読めなくなります。
また、共通テストの問1はこうした語句そのものの意味を問うものです。
小説において語彙力は実は非常に重要な要素です。
小説に絞った語彙力強化は以下の参考書がおすすめです。
推測してしまっている
小説の問題を解くときによくある間違いが、心情を勝手に推測してしまうことです。
「こういう状況なら〇〇と考えるだろう」と登場人物に感情移入してしまうのです。
小説は評論文と比較して、本文中から直接答えを導き出せないことが多いです。
そのため、自分の頭の中で都合の良いように意味を解釈しがちです。
小説であっても「答えの根拠は必ず本文中にある」という原則は変わりません。
問題別:共通テスト・マーク式ができない理由
「本文の内容は理解できているのに、なぜかマーク式問題で失点してしまう」
こういう悩みを抱える人は多いと思います。
マーク式で点数が取れない人は以下2点の理由に当てはまることが多いです。
選択肢を吟味していない
マーク式の問題を解く時、消去法でまず絞っていきますよね。
この時、不正解の選択肢についても「どの点が不正解なのか?」を手を抜かず、しっかり明確にした上で消去していきます。
当然、自分が正解と考える選択肢については、徹底的に本文中から「なぜこの選択肢が正解なのか」を考える必要があります。
当たり前のことですが、意外と出来ていない人が多いです。
マーク式の問題は、選択肢が巧妙な言い換えなどで消去法で絞り切るのを難しくしています。
そのため、本文を正しく理解した上で、本文中から根拠をしっかり探す必要があります。
傍線部付近だけ読んでる
マーク式であっても本文全体を正しく理解することは必須です。
この方法は絶対にやめましょう。
本文全体の論理構造を把握していなければ正しく正解を導けないことがあるためです。
強弱をつけて読むのは良いですが、傍線部付近だけ読むのは禁忌です。
問題別:記述式ができない理由
記述式の問題が出来ない理由は以下の2点です。
本文を正しく読み解けていない
記述式の問題では、本文を正しく読めるのは大前提です。
記述式はマーク式と違って誤魔化しが効かないので、本文を理解できていなければ絶対に解けません。
正しく文章を理解し、さらに正しく文章が読めていることを答案で表現しないといけない。
現代文の記述式は非常に難しい問題です。
答案の作成方法が分からない
以下のような問題を見て、パッと答案の作成方法が頭に浮かぶでしょうか。
「傍線部『言葉が生き身の人間の口から自分に語られた場合は、全く別である』とあるが、なぜか。説明せよ。」
「傍線部『それが私には「忘れ得ぬ言葉」となってしまった』とはどういうことか、150字で説明せよ。
「本文の内容を200字で要約せよ」
問題はシンプルですが、どうやって答案を作成すれば良いかは結構難しいですよね。
初歩的な間違いだと、傍線部の理由を聞かれているのに、傍線部の内容を答えてしまう場合もあります。
現代文の記述問題は、傍線部の内容説明・理由説明・要約などパターンはほぼ決まっています。
それぞれ答案作成時にどういったポイントを意識すべきかを知っておく必要があります。
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言ってしまえば、現代文の出来ない理由は5つだけです。
これさえ潰せば現代文は誰でもできるようになります。
そして、これら現代文の出来ない理由を解決する方法は定式化されているため、誰でも簡単に出来ます。
語彙力がない人は『ことばはちからダ』で勉強する
「語彙力がない」を解決する方法は簡単です。
『ことばはちからダ』を勉強するだけで解決します。
『ことばはちからダ』は河合塾が出版する現代文の超ロングセラー参考書です。
受験に頻出する重要キーワードを初心者でも分かるくらい丁寧に解説してくれます。
『ことばはちからダ』で語彙力を増やした後に現代文を読むと、読みやすさが全然違うことに気づくと思います。
小説の語彙力アップには以下の参考書がおすすめです。
小説の語彙に特化した参考書は本当に数が少なく、使える参考書はこの1冊くらいです。
背景知識がない人は『ことばはちからダ』で勉強する
語彙力と同様に、背景知識についても『ことばはちからダ』で勉強すればOKです。
『ことばはちからダ』は重要キーワードだけでなく、受験に頻出のテーマについてその背景知識についても解説しています。
『ことばはちからダ』で勉強すれば、語彙力も背景知識も身につくため非常にオススメです。
また背景知識については、『ことばはちからダ』で基礎を学んだ後、問題集や過去問などの解説で更に知識を深めていくことが出来ます。
背景知識を獲得するために、『ことばはちからダ』以外の参考書を買う必要はありません。
読み方が分からない人は『田村のやさしく語る現代文』で勉強する
現代文の読み方がわからない、という人は『田村のやさしく語る現代文』で勉強するのがオススメです。
『田村のやさしく語る現代文』では、一から丁寧に文章の読み方を解説してくれます。
「しかし」や「つまり」といった接続詞に注目する方法や、筆者が繰り返し述べていることに注意する方法など、現代文の読み方の基礎の基礎を非常に分かりやすく説明しています。
また、会話口調で語りかけるような解説ですので、非常に読みやすく、正に「現代文が苦手」という人に打ってつけの参考書です。
「現代文がどうしてもできない」という方は是非どうぞ。
『田村のやさしく語る現代文』が簡単すぎるという人は『入試現代文へのアクセス 基本編』を試してみてください。
解き方が分からない人は、『船口の最強の現代文記述トレーニング』
ややテクニックに偏重しすぎている印象はありますが、『船口の最強の現代文記述トレーニング』がおすすめです。
記述問題のタイプ別の答案作成のコツが実践で学べる構成になっています。
記述式の問題に悩んでいて、何か攻略の糸口を見つけたい人は一度手に取ってみてください。
マーク式が苦手な方は共通テストの過去問や問題集をとにかく解いて、解説をよく読むを繰り返すのがおすすめです。
誤った選択肢を消去法で削除したり、正解の選択肢がなぜ正しいと言えるのか、コツが掴めてきます。
読むのが遅い人は、『テクニック』と『慣れ』が必要
読むのが遅い人は、そこまで心配することはありません。
問題集や過去問を解いていくうちに読むスピードが上がります。
読むのが遅い人はとにかく多くの問題に触れるよう意識してみてください。
また時間があれば、日々の生活の中で新聞を読んだり、読書をするのが良いです。
活字に慣れればなれるほど読むスピードが上がるためです。
「どうしても読むスピードが上がらない」「入試まで時間がない」という方は、以下の早く読むテクニックを身につけましょう。
早く読むテクニック
- 設問を先に読んでから本文を読む
- 問題文の傍線部の周辺を集中的に読む
- 「例えば〜」「確かに〜」の後は、軽く流し読む
ただ、これらのテクニックに頼るのは最終手段と考えてください。
現代文は論理構造を丁寧に読み取れば必ず解けるようになっているため、下手にテクニックに頼ると逆効果になる恐れがあるためです。
現代文は第三者からのフィードバックが重要
現代文は独学の効率が悪くなる唯一の科目です。
数学や英語のようにシステマティックに解法が決まっていないので、正解・不正解の根拠が自分では理解しづらいためです。
現代文の勉強では、自分が答えを導き出した過程と根拠が正しいのか、第三者からフィードバックをもらうのが一番効率が高いです。
答えが一義的に決まらない記述式で特に当てはまります。
第三者からフィードバックをもらうおすすめの方法を2つご紹介します。
- 添削サービスを利用する
- 塾講師や家庭教師に徹底的に質問する
順番にご説明します。
添削サービスを利用する
自分の回答を第三者の客観的な視点から採点してもらうだけでも、大きく実力が伸びます。
現代文の回答においては、「正しい論理構造になっているか」「回答にキーワードがおり込まれているか」が非常に重要になります。
自分の答案を採点してもらうだけで、こうしたポイントを押さえることができるため即効性があります。
自己採点だと、自分の答案が正しいのか判断しづらいですし、間違った知識を身につけ、そのまま入試本番を迎えてしまうと最悪です。
添削サービスは、
MARCHや関関同立、地方国公立大を志望する方は『進研ゼミ』、
早慶や旧帝大などの難関国公立大を志望する方は『Z会』がオススメです。
私は実際にZ会で記述式の対策をしていたおかげで、大阪大学に合格することができました。
塾講師や家庭教師に徹底的に質問する
一番良いのは、現代文のプロに自分が腹落ちするまで質問して理解できるようになることです。
参考書の解説を読んだり、予備校講師の授業を受けて得られる一方的な情報だけでは現代文の勉強の効率は悪いです。
「模範解答のどこが納得できないのか」「解説のどの部分が理解できないのか」など、自分一人では解決できない疑問を完璧に解決する唯一の方法が、先生に徹底的に質問しまくることです。
余程の進学校でない限り学校の先生は信用できないため、プロに頼った方が良いです。
塾や予備校の講師、あるいはプロの家庭教師がおすすめです。
尚、家庭教師に頼む場合、大学生の講師は避けましょう。
英語や数学であれば大学生の講師で務まりますが、大学受験レベルの現代文を教えられる大学生講師はほぼ皆無だからです。
プロの家庭教師を探すには、プロ講師で定評のある「メガスタ」や「マナリンク」が人気があるのでおすすめです。
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まとめ:現代文ができない理由と対策
最後に現代文ができない人の特徴と対策をもう一度まとめます。
現代文ができない人の特徴
- 語彙力がない
- 現代文の背景知識がない
- 読み方を分かっていない
- 解き方が分かっていない
- 読むのが遅い
- テクニックに頼りすぎる
現代文は捉えようのない科目に見えますが、実はやり方さえ間違えなければ簡単に偏差値を上げることができる科目です。
多くの受験生が「現代文は日本語だから勉強は必要ない」「現代文はセンス」といってあまり力を入れて勉強しません。
だからこそ、正しいやり方で現代文の勉強をすれば、一気に周りと差をつけることができます。
ここでご紹介した方法で是非取り組んでみてください。