「覚えることが多すぎる、、、」日本史選択で後悔した時はどうすればいい?

日本史選択を後悔

なんとなくで日本史を選択したものの、予想以上の暗記量に後悔している高校生は一定数いると思います。

「覚えることが多くて、内容が全然頭に入らない...」

「どうしても日本史に興味が持てない...」

「思い切って選択科目を変えるべきなの?」

このような悩みを抱えている人のために、この記事では日本史のメリット・デメリットや他科目との比較、効率的な覚え方などについて解説していきます。

実は、この記事を書いている私も「カタカナの人名は覚えづらそう」という安易な理由で日本史を選択したのですが、想像以上の暗記量に苦しめられた経験があります。

単語を覚えることに精一杯で、授業を聞いていても興味が湧かなかったんです。

ただ、日本史のメリットや効率的な覚え方を知ったことで、日本史を勉強するのが楽しくなり、大阪大学にも無事合格することができました。

向き合い方次第で気持ちも変わるので、日本史を選択して後悔している高校生はぜひご覧ください。

日本史が難しい理由3つ

日本史選択_難しい、できない理由

まず、日本史が難しい理由についてです。

主に、以下の3つの理由が挙げられます。

  1. 各時代の背景を理解する必要がある
  2. 難しい用語が使われる傾向にある
  3. 人物同士の関係性が掴みにくい

これから順番に解説していきます。

各時代の背景を理解する必要がある

教科書に載っている出来事は、その時代の慣習や価値観が前提となって起こっていることが多いです。

例として、幕末に起こった薩英戦争や下関戦争を挙げます。

それまで何百年もの間、平和だった日本でなぜ戦争が起きたのか、理解しにくいと思います。

しかし、その背景には、現代では考えにくいような「外国人を追い出せ!」という排外思想や、国学という日本固有の価値観に基づいた思想が存在したのです。

このように、私たちが生きている現代社会では考えにくいものが、その時代では当たり前だったということがよくあります。

この点を理解せずに日本史を学んでしまうと「なぜそのように行動したのか?」「なぜそれが起こったのか?」が分からなくなり、頭の中が混乱してしまいます。

つまり、日本史は、単に場所と用語だけを結びつけて暗記するだけでは対応できない科目なのです。

難しい用語が使われる傾向にある

日本史では専門的な歴史用語だけでなく、その歴史用語を解説するための記述にも、難しい日本語が使われています。

例えば「墾田永年私財法」という歴史用語を調べると、「743年に発布された勅で、開墾田の私有を認めることにより開墾意欲を促しつつ、それを輸租田として国家の税収を確保することを目指した」という説明が出てきます。

歴史用語の意味が分からないから調べたのに、その解説中に、新たに「勅」や「開墾」、「輸租田」という聞き慣れない用語が登場するのです。

「歴史用語の解説に書かれていることも分からないから、全然イメージできない...」という状況に陥っている人は多いのではないでしょうか。

このように、日常会話では見聞きしないような用語が飛び交うところも、日本史が難しい理由の1つです。

人物同士の関係性が掴みにくい

他の理由として、人物同士の関係性が掴みにくいことが挙げられます。

日本史で登場する出来事には、そこに至るまでに複数の人物による関与があります。

しかし、教科書でそれらの人物の関係性を分かりやすく整理している図は少なく、文字のみで説明されていることがほとんどです。

そのため、自分の頭の中で整理するしかないのですが、登場人物の数もかなり多いので、人物や特徴が混じってしまうのです。

ドラマに出てくる相関関係図のようなものが無いと、日本史は難しいと感じるかもしれません。

日本史を選択するメリット3つ

日本史選択のメリット

次に、日本史を選択するメリットについてです。

主なメリットは以下の3つです。

  1. すでに基礎的な内容を学習している
  2. 国語を勉強する際に役立つ
  3. 他の科目より馴染みやすい

それでは順番に解説していきます。

すでに基礎的な内容を学習している

日本史は、すでに小中学校で基礎的な内容を学習しているので、一から覚える必要がないところが大きなメリットです。

高校での授業中に「これ前に聞いたことがある!」と感じることは多いのではないでしょうか。

小中学校の日本史(社会)の教科書は、わかりやすくまとめられているので、どの高校生も勉強の下地は整っている状態です。

新しい知識が出てきても、これまでの知識をフックにして暗記できるため、他の科目よりも勉強しやすいと思います。

国語を勉強する際に役立つ

実は、日本史は国語、特に古文を勉強する際に役立つことがあります。

なぜなら、日本史の知識や時代背景、文化史などを覚えていると、古文の内容を理解しやすくなるからです。

これは私の実体験なのですが、高校時代、古文のテストで平家物語が出題されたことがありました。

出題された文章は初見だったものの、日本史で源氏や平氏の家系図、戦いの結果を学習していたため、話の内容を簡単に把握することができたのです。

他にも、古文の文学史の問題を解く際、日本史で学んだことを活かせたことがあり、かなり得をすることができました。

両者は意外と繋がる部分があるので、勉強しておくことをおすすめします。

他の科目より馴染みやすい

日本史は、世界史や地理よりも馴染みやすい科目です。

なぜなら、日本史はドラマや小説、漫画など、私たちにとって身近なところでも取り上げられているからです。

教科書のように事実を淡々と述べるコンテンツもあれば、パロディのような形で面白おかしく歴史を描いているものもあります。

気分転換として、勉強の合間にそれらを見てみると、より親近感を持って学習できるかもしれません。

日本史を選択するデメリット3つ

日本史選択のデメリット

ここからは、日本史を選択するデメリットについて解説していきます。

主なデメリットは以下の3つです。

  1. 小中学校で基礎が固まっていないと理解しにくい
  2. 他の科目よりも深い知識が求められる
  3. 漢字が多い

それでは順番に解説していきます。

小中学校で基礎が固まっていないと理解しにくい

先ほどのメリットの裏返しですが、小中学校で日本史の基礎が固まっていないと、高校の授業には付いていけません。

私は学生時代に塾講師をしていたのですが、「学校の先生の説明が難しくて付いていけない」と言っていた生徒に限って、中学生用の問題集がそもそも解けないということがありました。

小中学校の時に、すでに日本史に対して苦手意識を持っていたり、成績が良くなかったりした人は苦労するかもしれません。

他の科目よりも深い知識が求められる

日本史を選択すると、小中学校ではまったく習わなかったようなニッチな内容も学習しなければいけません。

世界の歴史を広く浅く学習する世界史とは違い、日本史は1つの国の歴史を深く学習するので、必然的に求められる知識量が増えます。

私が勉強していたときも、教科書はもちろん、資料集の情報量がかなり多く、1-2周しただけでは暗記できないような分量に苦しめられました。

教科書に登場する出来事や人物に興味を持ち、「もっと詳しく知りたい!」という意欲がないと、勉強を続けるのは難しいでしょう。

漢字が多い

日本史で登場する出来事や人物名には、ほぼ100%漢字が使われています。

共通テストなどのマーク式の試験なら問題ありませんが、筆記試験の場合は、漢字で書けるところは漢字で書かないと減点されてしまうため、多くの高校生が苦労しています。

また、最近はスマホの普及で「活字離れ」が進んでおり、漢字を苦手としている高校生も増えている印象です。

日本史を選択すると、漢字の勉強も並行して行わなければいけないことを覚悟しましょう。

世界史、地理との比較【どっちの方が難しい?】

次に、日本史と世界史、地理を比較し、それぞれの難易度を見ていきたいと思います。

「暗記量・範囲・思考力・得点の安定性」の4つの観点をもとに、表にまとめてみました。

暗記量学習範囲思考力得点の安定性
日本史やや多め狭く深く必要高い
世界史多め広く浅くやや必要高い
地理少なめ狭く浅く必要低い
  • 暗記量は世界史が1番多くなっています。
  • 学習範囲についてはそれぞれ傾向が違うので、人によって好き嫌いが分かれるかと思います。
  • 思考力は、暗記だけでは解けない地理や日本史で必要になる傾向にあります。

特に、日本史は出来事の因果関係や繋がりを押さえる必要があるので、暗記力だけでは太刀打ちできません。

例えば、記号問題では「これらの出来事を起こった順に並び替えなさい」という問題が、記述問題では「この出来事が起こった経緯を説明しなさい」という問題が出題されがちです。

複数の人物や出来事の関連性を理解し、総合的に考える力が身に付いていないと、到底解けないことが分かると思います。

  • 共通テストに限りますが、日本史や世界史は得点が安定しやすい一方、地理は「ひらめき」が必要なので得点が安定しにくい傾向にあります。

日本史が向いてない人の特徴

日本史ができない人の特徴

ここからは、先ほどの比較を踏まえながら、日本史が向いてない人の特徴について解説していきます。

私は学生時代に塾講師をしていたのですが、勉強しても日本史の成績が一向に伸びない高校生をたくさん見てきました。

ここでは、その人たちに共通していた特徴をご紹介します。

それが以下の2つです。

  1. 日本の歴史や文化にまったく興味がない人
  2. 暗記が苦手な人

順番に解説していきます。

日本の歴史や文化にまったく興味がない人

「日本史を選択するデメリット」のところでも述べましたが、日本史はかなりニッチな内容を勉強する必要があります。

歴史はもちろん、文化史の範囲も暗記量が多いので、そういった分野に興味が湧かない人は勉強のモチベーションを保てないかもしれません。

私が塾講師をしていた際も「日本文化に興味がないから、仏像や絵画の名前が一向に覚えられない...」と暗記を諦めてしまう高校生が一定数いました。

暗記が苦手な人

日本史では用語を覚えることは大前提で、それらの前後関係や因果関係を理解して初めて問題が解けるようになります。

暗記が苦手だと、問題を解くスタートラインにも立てないため、テストで高得点を取ることはできません。

もしあなたが理系で、暗記には時間が割けないと考えているなら、暗記量が少なくて済む地理などを選択した方が良いかもしれません。

今から科目選択を変えるのはやばい?

日本史選択、今から変えるのはやばい?

私の考えとしては、よほど暗記ができず、日本の歴史や文化に興味がない人以外は、科目変更するべきではないと思います。

理由としては主に2つあります。

  1. 他の科目で役立つことがある
  2. 勉強するにつれて興味が湧くようになる

順番に解説していきます。

他の科目で役立つことがある

「日本史を選択するメリット」のところでも触れましたが、日本史の勉強は国語などの他の科目で役立つことがあります。

特に、古文は日本史の知識を知っていると、スラスラと内容を把握することができます。

共通テストの古文科目は、受験者のほとんどが解くと思いますので、周りに差を付けられるチャンスでもあります。

ですので、文系の高校生はできれば日本史選択のままで行くと良いでしょう。

勉強するにつれて興味が湧くようになる

現時点で日本史に興味が湧かないという人は、インプットの量が足りていないことが多いです。

逆に言うと、インプットの量がある一定のラインを超えると高得点を取れるようになり、日本史の勉強が楽しくなります。

私が高校生のとき、膨大な暗記量に苦しめられつつも、先生に説得されて毎日コツコツ勉強を続けていました。

すると、徐々に日本史への興味・理解が深まり、テストでも高得点を取れるようになったのです。

感覚としては、知識が蓄積していくと、今まで「点」でしか捉えられなかったものが「線」で繋がるようなイメージです。

そうなると「この出来事はこういう経緯で起こったのか!」「これはこの人物と関係していたのか!」と納得しながら勉強を進められるのです。

ですので、今は辛いかもしれませんが、継続して勉強を進めていきましょう。

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我慢して日本史を勉強し続ける場合はどうすればいい?

ここまで読んでいただいた高校生の中には「それなら日本史選択は変えないでおこう!」と決心した人もいるかと思います。

そこで、これからも我慢して日本史を勉強し続ける場合はどうすればいいのか、その勉強法を解説していきます。

主な勉強法としては、以下の3つです。

  1. まずは教科書で歴史の「流れ」を押さえる
  2. アウトプットを通じて定着を図る
  3. 歴史をドラマのように捉える

順番に解説していきます。

まずは教科書で歴史の「流れ」を押さえる

私が塾講師をしていた際、日本史が苦手なのに、いきなり一問一答の参考書や過去問を解いてしまっている生徒がいました。

しかし、それでは勉強が非効率になるだけで、内容もきちんと理解できていませんでした。

日本史の勉強でやるべきことは、まず教科書で歴史の「流れ」を理解し、その後に資料集で細かい知識を身につけ、問題演習に取り組むことです。

歴史の「流れ」を把握するためには、時代背景を押さえつつ、「誰が」「どのような理由で」「どんな行動を取ったのか」を確認しましょう。

教科書はそれらが簡潔にわかりやすくまとめられているので、おすすめです。

ある程度の「流れ」が把握できれば、後は細かい知識を肉付けしていくだけで済みます。

アウトプットを通じて定着を図る

上記のようにしてインプットできれば、後はアウトプットを通じて定着を図るのみです。

私が高校時代に実践していたのは、歴史用語をピックアップし、それについて自分が知っていることをノートにまとめていくというものです。

その用語自体の説明はもちろん、時代背景や関わった人物なども交えながら書いていました。

こうすることで、自分の頭の中を整理することができますし、自分が覚えていなかった部分を見直すきっかけにもなります。

歴史をドラマのように捉える

日本史に興味が湧きづらい人は、歴史をドラマのように捉えると面白いかもしれません。

出来事だけではなく人間関係にも着目することで、「この人物って実はこんな人だったのか」と興味が湧いてくるかもしれません。

教科書に出てくるような人物は偉人が多いので、自分自身の生き方や価値観にも影響を与えてくれるはずです。

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まとめ:日本史選択に後悔したとき

特に、暗記が苦手な人にとっては、日本史の勉強は大変だと思います。

ただ、今回紹介したメリットや効率の良い覚え方を知ることで、少しは苦手意識が和らぐはずです。

もう一度、日本史を選択するメリットと効率の良い覚え方をまとめておきます。

◯日本史を選択するメリット

  1. 小中学校で基礎が固まっていないと理解しにくい
  2. 他の科目よりも深い知識が求められる
  3. 漢字が多い

◯効率の良い覚え方

  1. まずは教科書で歴史の「流れ」を押さえる
  2. アウトプットを通じて定着を図る
  3. 歴史をドラマのように捉える

科目選択で悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。

日本史は暗記量が多いものの、継続して勉強することで成績も伸びていきます。

モチベーションを保ちながら頑張っていきましょう。

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